sire: CFA CH, Voce Gatto Sirius of Rose Velvet
dam: CFA GC, Azurski's Natasha of Rose Velvet
Nick Name: とれぽん、とれ


CFAナンバーを持つショーキャットとして、当キャッテリーのファーストブリードで生まれた男の子。
甘えん坊で素直な、とっても可愛いぼうやです。

今でこそ優雅に歩いていますが、 子猫の時はいつまでも走り回っている前代未聞の暴れん坊で、一緒に生まれた2頭の妹を引き連れて、カーテンにぶらさがったり、パソコンを壊したり、靴を隠してしまったり・・・。
とにかく彼は、絵に描いたような「手がつけられない」子猫でした。
しかも。子猫ってこんなに大変だったかしら・・・と首をひねりつつ叱ろうとすると、 きゅきゅっと首を傾げたりして、ちゃっかり可愛こぶりっこするので 叱りそびれたことも。

そんな、やんちゃ小僧だったトレロですが、パパのシリウスに似たアイシェ−プやナターシャのイヤーセット、綺麗なアイカラー、たっぷりしたコート、そして・・・、毎日のいたずらで培ったと思われる、とても筋肉質なボディーをもった素敵な男の子に成長してくれました。

大好きなトレロと走ったショーシーズンは、残念ながら仕事の都合で途切れ途切れ。
チャンピオンになったまま、半年もお休みしてからグランドに挑戦する羽目になってしまいました。
それでも彼ののどかなショーマナーが崩れていなかったのは、今思えば、とてもラッキーな出来事。
審査台の上で堂々と立ったまま、こちらをみつめていた表情をとてもよく覚えています。
親ばか丸出しですが、なんて貫禄のあるコなんだろう!なんてね(笑)。

審査中に目の前のケージが落下して大きな音を立てても平然としていたり、ショーに向かう駅では通過する新幹線を取ろうとキャリーの中でハンティングポーズをとったり。
彼は何かと動じない猫だったのですが、ショーシーズン後半、見学者の方になんとジャッジングの真っ最中に、至近距離からのフラッシュ撮影(しかも一眼レフで連写)をされてしまうというハプニングに見舞われました。
ジャッジもクラークも慌てて制止してくれましたが、ときすでに遅し・・・。

この出来事が引き金になって、その日のショーは残りの審査はすべて棄権する羽目になり、翌週、翌々週と続いた2度のショーでは、自慢だったグッドマナーが完全に崩れてしまいました。
(撮影はオーナーの許可を得てからがマナーです。どうかご留意ください
審査台の上で全く落ち着かない彼の様子に、「もう無理かも・・・」と諦めかけた私でしたが、驚いたことにトレロは1リングごとに自分で少しずつ気持ちの整理をしていたようで、2度目のショーの最後の審査では、もう一度、以前のマナーを取り戻してみせたのです。

毎回、迷いながら審査ケージに彼を抱いていった私の気持ちを、まるで察してくれたかのような出来事。
審査台の上、穏やかに私を見つめるトレロにもう1度、会えるなんて。誇らしいような、切ないような、なんとも言いがたい思いがこみあげて、必死で涙をこらえたことを覚えています。
但しトレロはその後、極端なカメラ嫌いになり、プロのカメラマンに撮影していただけたのはわずか数枚だけになってしまいましたけどね^^;;

いずれにしろ、繊細といわれるロシアンブルーでは、こういう立ち直り方は珍しい出来事です。
思えば母猫のナターシャも崩れてしまったショーマナーを、突然、立て直してグランドタイトルを達成した経緯があり、このトレロとのショーシーズンでは、『血統』による影響力の強さを実感するとともに、改めてアズルスキーキャッテリーへの感謝の気持ちを強くしました。すでにナターシャの四代目の子孫たちがメインのブリードになっている現在も、この血統による恩恵は私のキャッテリーに強く受け継がれています。


さて。ショーを退いて数年が過ぎた現在も、トレロは現役のオスとして元気に暮らしています。
彼が見せてくれる信頼にあふれた表情と、きゅっと笑った口許がとても気に入っています。
そして、小さな声で私に話し掛けてくれる時のやわらかな優しい声。
大人になった今では、我が家で一番おっとりとした優雅なコになりました。

少しでもストレスを減らしたくて、結局、彼は今、6帖ひと部屋をほぼ独占しているわけですが、ご機嫌な顔でキスしてくれるトレロを膝に乗せながら、早く去勢して自由に甘えさせてあげたいな・・・という気持ちと、もっと彼の子供達に会いたいな・・・という気持ちのジレンマを抱える毎日。
少しさびしい気もするけど、七歳の誕生日を迎える来年の夏までに、あと1リターか2リターの子猫を授けてもらったら、いよいよ現役からは引退かな。


2006/10月

当サイトに記載されている全ての文章、画像、写真の無断使用を固くお断りいたします。